「本を読まない最近の若者」だった僕が趣味:読書と自称するようになるまで

最近の若者は本を読まない。いわゆる「若者の本離れ」である。Google先生も若者にオススメの本などは控えめにしか勧めてくれない。

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Google 検索サジェスト

「若者の○○離れ」という単語はメディアで度々取り上げられる。個人的には「お金の若者離れ」が好きである。

話を戻す。全国大学生活協同組合連合会の「学生生活実態調査」によると、2017年には「1日の読書時間が0の学生」が半数を超えた。

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全国大学生活協同組合連合会「第54回学生生活実態調査」より

「最近の若者」の「最近」が何年前を指すのか、データのサンプル特性等、何をもって若者から本が離れたかとするのか曖昧ではある。しかし、全く本を読まない集団がここ10年近くで半数近くまで増えてきた点に注目してみれば、最近の若者は本を読まなくなったと言ってもいいだろう。

私もその「本を読まない若者」の内の1人であった。この手のアンケートがあるごとに「ラノベは読書に入るのか...?」と悩んでいた。しかし、今では、読んでいる本のボリュームによっても変わってくるが、月に5~7冊は読んでいると思う。趣味:読書と自称している。私が読書にハマったきっかけや読む本の見つけ方を紹介したい。

きっかけ

本自体は小学生の時はそこそこ読んでいた。小さな本棚も部屋にあった。しかしその本棚にある本も、最近は、大掃除した時に懐かしくなって読む程度。本格的に読書し始めたきっかけは、1年ほど前に火花を読んだことだ。授業で選択したテーマとして火花を読まなければならなくなり、久々に文学作品に触れたなぁと感じた。ちなみに、他のテーマに東野圭吾変身」もあり、そちらも同時期に読んだ。

nmzfish.hatenablog.com

授業のテーマで扱った際に火花変身を読んだことは大きかった。しかし、最も大きなきっかけとなったのは、これらを読んだついでに恰好つけてアンドロイドは電気羊の夢を見るか?を読んだことだ。名前はもちろん、パロで似たような名前聞くし、なんかすげぇ作品なんだなという認識でしかなかった。タイトルからどんな物語なのか分からないし、普段読書しない人間が手に取るにはハードルが高すぎた。しかし、授業で読まされたとはいえ、火花とか変身とか読んだし、こういうの読んでもいいだろ!と思い切って買った。作品自体は非常に面白く、これが名作SFか!と感動した。

次に読む本の見つけ方

そこからは、枝葉が分かれるようにSF小説を読み漁った。関連作品として見始めたPSYCHO-PASS サイコパスでは、他のSF作品等の引用シーンが多くあり、それらをできる限り読んだ。一九八四年、すばらしい新世界善悪の彼岸、記憶屋ジョニィ等々。関連作品の見つけ方は、wikipediaが役に立った。大きな影響を与えた作品では、それ専用の項があるので親切だ。あとは、Amazonよく一緒に購入されている商品も役に立つ。

一九八四年、すばらしい新世界はいわばディストピア作品の進化ツリーの原点である。あるジャンルの進化ツリーの原点を読むのは非常に面白い。例えばニューロマンサーニューロマンサーは、サイバーパンクというジャンルの始祖である。様々なアイデアの元を辿るとニューロマンサーへ行きつき、大きな影響を与えてきたことが分かる。

もう一つは、著者買いである。動物農場は、完全にジョージ・オーウェルの作品ということで読んだ。著者買いのメリットは、その著者の魅力が再度味わえる点である。動物農場では、ナポレオンの支配者としての振る舞いが徹底されている。これは一九八四年におけるビッグブラザーと同じであり、ここまでするのかという独裁に驚く。あとは、シェイクスピアの戯曲である。多くの作品を出しており、どれも名作揃いである。先日、全ての悲劇を読み終えた。シェイクスピアの作風は、初期の最も残忍なタイタス・アンドロニカスから始まり、男女関係が素敵なハッピーエンドを迎える十二夜を経て、四大悲劇と問題劇で終わる。作風の変遷をたどることができるのも著者買いの楽しみの一つである。

おわりに

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?のような、誰しも名前くらいは聞いたことがあるクラスの名作を読むと、読書に目覚めるかもしれない。あとは、映像化作品の原作、何かしらの受賞作、人に勧められた本など、意外と「本を読みたいが何を読めばいいか分からない」悩みは簡単に解決できる。