【本屋大賞2022】書店にふらっと寄ってビビっときた本買いがち

古典名作ばかり読んでたけど、最近は書店にふらっと寄ってビビっときた本を読むことが多い。

「次何読む?」を自分で探す気力はない時に、書店で目に入るポップはとても眩しくて惹かれてしまう。

今の時期見かけるそういう本は大体「本屋大賞ノミネート」なことが多い。最近読んだ本たちはこちら。例に漏れず全て本屋大賞*1ノミネート本である。

正欲

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書評とはいかないまでも、感じたこととか書いていく。

 

黒牢城

時代小説は登場人物の名前とか、世界観がややこしくて勝手に苦手意識持ってた。だけど、全体を通すと非常に読みやすかった印象。全4章のミステリー構成だけど、最初はどういう流れなのか掴めなくてなかなか読み進められなかったけど、いざ話の枠組が分かるとスルスル読めてしまう。起承転結がハッキリしてるんだよね。

特に面白いのは、武士社会のルールみたいな部分がしっかりとミステリーの構成要素になっているところ。例えば、謎を解くのに必要な情報が得られないとか。それは、聞くことがタブーであったり、聞くことが相手に恥をかかせたりのような。

そういえば、最初に時代小説に苦手意識がーと言ってたけど、村正とかまんまだし実は好きなジャンルかもしれない。

残月記

収録は三作。入れ替わりの「そして月がふりかえる」と、不思議な夢を見る「月景石」で、どちらも月が題材だったけど不思議な読み味やなぁという感想。正直、あまり覚えていない。

メインは表題の「残月記」で、ディストピア、疫病、と好きなジャンルどんぴしゃ。少子高齢化・人口減少・財政赤字、と衰退した日本に南海トラフの直撃により、挙国一致で苦難に立ち向かう!で独裁政治のできあがる様がリアルでいい。「社会が独裁に対して股をひらくのを待つ」のフレーズ震えましたよ。

ディストピアは2種類あって、「1984年」の真正面タイプと「すばらしい新世界」の一見ユートピアだけど裏はディストピアなタイプ。残月記は前者で、まさに権力のための権力。

 

*1:2022年