欲しいものリストに埋もれたっきり旬を過ぎてしまった良本

本には旬があると思う。

 

それは、世間の旬である「映画化決定」「ドラマ化決定」などではなくて、自分の中での「SF小説」「ビジネス」みたいなジャンルの旬。

旬が発生する理屈はなんとなく分かってきている。海外SF小説は好きなジャンルで、その中でも古典の名著は今でも様々な作品に影響を与えていることもある。読んでおきたいなぁと意気込むけど、まず翻訳な点でどこか読みづらさがあって、読むのに体力を使う。そんな疲労困憊状態で読むのは大体ビジネス本である。まず目次を読んで取捨選択をする。その中でも、読み進めて自分の糧となる部分はもっと少ない。なので、読むのに使う体力が非常に少ない。日本人作家小説はちょうど上記の真ん中くらい。面白ければ一気に読めてしまうのも魅力。翻訳本に疲れてから日本人作家の本を読むと、物語がスルリと入ってくるのでやっぱ違うなぁと思ってしまう。

 

最近は、読もうと思ってAmazonの欲しいものリストに入れたっきり、順番待ちの間に旬を過ぎてしまって読んでいない本が多い。「ザリガニの鳴くところ」はまさにそんな本で、去年の本屋大賞の時に気になって以来、手に取るほどの取っ掛かりが無くて読んでいなかった。「ザリガニの鳴くところ」は翻訳本部門だったので、上述の通り、翻訳本というだけで消費される体力を見積もってしまって、その上取っ掛かりもないとなると手が出せなかった。しかし最近、ふと寄った本屋で帯にある「『蠅の王』×『侍女の物語』のポスト・ディストピア小説」が目について、ちょうどどちらも読んでいて印象も良くて、かつ近々映画がするとのことで読んでみたら大変面白かった。1年半くらい寝かせていたらしい。映画も見た。なんか年齢層が高かった。もちろん若年層向けではないと思うんだけど、本を読む世代なのかなぁとしみじみ。

 

 

 

「グレイスイヤー」を読み始めた。こちらも『蠅の王』×『侍女の物語』っぽい。

翻訳本なのでゴリゴリ体力が削られている...。